言語を習得する感覚

自転車に乗る前はどうやって自転車に乗ったらいいのか想像もできなかった記憶があるが、何度か練習しているとそのうち自転車を乗りこなせるようになる。

同じことがパソコンのブラインドタッチにもいえて、最初はどこにどのアルファベットがあるかをなんとなく意識しながらぎこちなくタイピングするが、慣れてくると個別のキーは意識せず頭で思い浮かべた言葉に応じて指がほぼ勝手に動いてタイピングができるようになる。

英語を聞く/話すこともまったく同じで、最初は話せない/聞けない状態なのだが話し/聞くことを繰り返すと、いつの間にか自転車に乗れるように英語を話し/聞くことができるようになる。いきなり完璧になるわけでは決してなく、自転車の乗りこなしのようにフラフラしまくるのではあるが、ただ乗れるようになるのである。

言葉では細かいことを説明できないが、なぜか乗りこなせてしまうこの感覚は言語についても同じだと思う。母国語以外の言語を習得する前はその言語を自分が話す/聞くことなど想像もできずどんな感覚なんだろうと思ったが、実際にはいつの間にか自転車に乗れるようになっているのと変わらない。